虫歯治療について

皆さんは虫歯治療にどんなイメージをお持ちですか?多くの方は「痛い・怖い」と感じるかもしれません。また、中には「虫歯になったら治療すればいい」と考えている方もいるでしょう。しかし、一度削った歯は元に戻らないため、早めの治療が大切です。虫歯は初期の段階ではほとんど痛みを感じず、自覚がないまま進行してしまうこともあります。そのまま放置すると、歯の神経まで炎症が広がり、強い痛みが出たり、場合によっては抜歯が必要になることもあります。だからこそ、早期発見・早期治療が非常に重要です。
当院では、痛みを抑えた治療を心がけながら、「できるだけ削らない・抜かない」治療を行っています。患者さま一人ひとりの歯の状態やご希望に合わせて丁寧に対応し、将来にわたって健康なお口の環境を維持できるようサポートします。
このようなお悩みはありませんか?
- 甘いものを食べると痛みを感じる
- 噛んだときに痛みや違和感がある
- 冷たいもの・熱いものがしみる
- 歯に穴があいている、ざらつきを感じる
- 食べ物が歯に詰まりやすい
虫歯の進行
虫歯は、お口の中の細菌が食べ物の糖分を分解して酸を作り、歯を少しずつ溶かしながら進んでいきます。虫歯の進み具合によって必要な治療も変わるため、早めのチェックが大切です。
C1.
エナメル質の虫歯

歯の表面を覆うエナメル質が少しずつ溶け始め、白く濁ったり、うっすら茶色っぽく見えることがあります。まだ痛みはほとんどなく、自覚症状も少ないため、自分では気づきにくい段階です。適切なケアやフッ素塗布で再石灰化が期待できることもあります。
C2.
象牙質まで進行した虫歯

虫歯がエナメル質の下にある象牙質まで進むと、冷たいものや甘いものを口にしたときに「しみる」「痛い」と感じることがあります。また、歯に穴があくと、食べ物が詰まりやすくなる場合もあります。この段階では、虫歯を削って詰め物で修復する治療が必要です。
C3.
神経まで進行した虫歯

虫歯が歯の神経にまで達すると、ズキズキとした強い痛みを感じるようになります。夜眠れないほど痛むこともあり、日常生活に支障が出る場合もあります。この段階では、歯の神経を取り除く「根管治療」が必要で、治療は数回に分けて行います。
C4.
歯根まで進行した虫歯

歯の大部分が溶け、根だけが残った状態です。痛みは一時的に治まることもありますが、それは神経が死んでしまったためであり、膿が溜まって歯ぐきや骨に炎症を起こす危険があります。この段階では抜歯が必要になることが多く、その後はブリッジや入れ歯、インプラントなどで失った歯を補う治療が必要です。
虫歯治療のこだわり
当院の虫歯治療では、患者さまの負担をできるだけ抑え、歯を長く健康に保つために、次のような工夫を行っています。
痛みに配慮した麻酔
痛みが心配な方にも安心して治療を受けていただけるよう、麻酔方法にも工夫をしています。
表面麻酔
注射をする前に歯ぐきの表面に麻酔薬を塗ることで、針を刺すときの「チクッ」とした痛みをやわらげます。当院では、塗るタイプや貼るタイプなど、症例や部位に合わせて使い分けています。これにより、麻酔時の痛みや不安をできるだけ抑えて虫歯治療を受けていただけます。
極細の針

注射針にはさまざまな太さや形状のものありますが、一般的に針が太いほど痛みを感じやすくなります。当院では、できるだけ痛みや刺激を抑えるために、非常に細い針を使用しています。細い針を使うことで、歯ぐきに刺さるときの圧力が軽くなり、チクッとした痛みを最小限に抑えられます。
電動麻酔注射

当院では、注入速度や圧力を細かくコントロールできる「ニプロジェクトペン」を導入しています。手動で行う麻酔注射に比べ、一定の速度と圧力で薬液を注入できるため、歯ぐきが急に膨らむことによる痛みを抑えやすくなります。
また、注射中の刺激が少ないことで、緊張や不安を感じやすい方でも安心して治療を受けていただけます。痛みに弱い方やお子さまにも配慮した、やさしい麻酔方法です。
歯を守るための虫歯治療
患者さまの歯をできるだけ長く健康に保つため、当院のこだわりの虫歯治療をご紹介します。
う蝕検知液の活用
当院では、虫歯治療の際に必ずう蝕検知液(虫歯の染め出し液)を使用しています。う蝕検知液を使うことで、健全な歯を削りすぎず、必要な部分だけを的確に取り除くことが可能です。歯の状態に応じて、生活歯(神経がある歯)には「カリエスチェック」、失活歯(神経がない歯)には「カリエスディテクター」を使い分けています。このように、歯の状態に合わせて最適な方法で虫歯の範囲を確認し、できるだけ健全な歯を残すことを心がけています。
ダイレクトボンディング治療法

削る量を最小限にしながら、見た目も自然に仕上がる治療法です。一般的な詰め物に比べて、「自分の歯を多く残せる」「形や色を細かく調整できる」「1回の治療で仕上がることが多い」という特徴があります。特に、次のような方におすすめです。
おすすめな方
- できるだけ歯を削りたくない人
- 前歯のすきっ歯が気になる人
- 歯の形や欠けを自然に整えたい人
- 虫歯治療と同時に見た目の改善もしたい人
また、当院のこだわりとして、複数のボンディングシステム、1液性から3液性までを症例に応じて使い分けています。ボンディングシステムとは、歯と樹脂をしっかり接着させるための接着剤のことです。種類によって接着力や操作方法が異なるため、虫歯の深さや部位、歯の状態に合わせて最適なものを選びます。これにより、強度が高く長持ちし、より自然な仕上がりの治療が可能になります。
MTAセメントの活用

神経に近い深い虫歯の場合は、MTAセメントを使って神経を守ります。MTAセメントは生体親和性が高く、歯や歯ぐきにやさしい材料です。密封性に優れているため、細菌の侵入を防ぎ、歯の再感染リスクを抑えられます。さらに、硬化後は強度が高く、歯の構造をしっかり支えることができるため、歯の寿命を延ばすことにもつながります。このため、次のような方に特におすすめです。
おすすめな方
- 深い虫歯になってしまったが、神経を取る治療は避けたい人
- 将来の歯の寿命を延ばしたい人
- 再発をできるだけ防ぎたい人
- インプラントやブリッジになる前に、自分の歯を守りたい人
虫歯治療の
よくある質問
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虫歯は自然に治りますか?
残念ながら、一度できてしまった虫歯が自然に元に戻ることはありません。ただし、ごく初期の虫歯であれば、フッ素塗布や適切なブラッシングで「再石灰化」を促し、進行を抑えられる場合があります。放置すると悪化することがあるため、早めの受診をおすすめします。
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痛みがなくても虫歯の可能性はありますか?
はい、あります。虫歯は初期段階では痛みを感じにくく、自覚症状がないまま進行することも少なくありません。気づいたときには、神経の近くまで進んでしまっているケースもあります。痛みがなくても、定期検診を受けて早期発見・早期治療を行うことが大切です。
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銀歯を白い詰め物に変えることはできますか?
はい、可能です。銀歯をセラミックやダイレクトボンディングなど、自然な白い素材に置き換える治療があります。見た目が自然になるだけでなく、金属アレルギーの心配がない点もメリットです。治療の範囲や素材によって、保険診療・自費診療が異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
虫歯治療のご相談

虫歯は早期に発見・治療することで、歯へのダメージを最小限に抑えることができます。当院では、できるだけ痛みを抑えた治療を心がけ、患者さま一人ひとりの症状やご希望に合わせた最適な治療方法をご提案しています。
また、虫歯治療だけでなく、定期検診や予防ケアについても丁寧にアドバイスします。日頃の歯磨きや生活習慣のポイントまで、患者さまが無理なく取り入れられる方法をお伝えします。歯の痛みや違和感がある方はもちろん、虫歯の予防や見た目のケアを考えている方も、どうぞお気軽にご相談ください。