2026-04-22
予防歯科の内容って何をするの?具体的な治療メニューを紹介
「予防歯科って実際何をするのかしら?」そんな疑問をお持ちの方、多いのではないでしょうか。虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、「病気にならないように予防する」という考え方が、今とても注目されているんですよね。
定期的に歯石除去や歯面清掃などの予防処置、指導を受けることが歯の喪失の防止に重要である[1]
ことが明らかになっており、
5年間の観察で定期的に歯石除去等を受けた群の1人平均喪失歯数は0.37歯であったのに対し、受けなかった群の喪失歯数は1.39歯であった[1]
というこうした研究結果も報告されています。
この記事では、歯科衛生士の立場から、予防歯科で実際に行われる治療内容について、皆さんにわかりやすくお話ししますね。どの治療があなたのお口に必要なのか、きっと見つかりますよ。
予防歯科の基本的な治療内容とその目的
歯石除去で歯周病を予防しましょう
予防歯科の基本中の基本は、歯石除去(スケーリング)です。歯石とは、歯垢(プラーク)が硬くなって歯にこびりついてしまったもののことなんです。
歯牙露出面及び正常な歯茎の遊離縁下の付着物及び沈着物を機械的操作によつて除去[2]
することが歯科衛生士の重要な役割として法律でも定められています。
歯石は一度付いてしまうと、どんなに丁寧に歯磨きをしても取ることができません。そのため、私たち歯科衛生士が専用の器具を使って除去する必要があるんですよ。特に、歯と歯茎の境目に溜まりやすい歯石は、歯周病の原因となる細菌の温床になってしまいます。
定期的な歯石除去を受けることで、歯茎の炎症を抑え、健康な状態を維持することができるんです。
歯面清掃で虫歯を予防する効果
歯石除去と併せて行うのが歯面清掃です。これは、歯の表面に付着した汚れや着色を専用のブラシや研磨剤を使って丁寧に取り除く処置のことです。
歯科衛生士による頻回(2週間に1回)の専門的歯面清掃法によってむし歯や歯肉炎が著しく減少した[3]
という研究報告もあり、その効果は科学的にも実証されています。
普段の歯磨きでは取りきれない細かな部分の汚れも、私たちプロの手にかかれば、すっきりと除去することができます。歯の表面がツルツルになることで、新しい汚れも付きにくくなるという嬉しい効果もあるんですよ。
口腔内検査で早期発見・早期対応
予防歯科では、お口の中の状態をしっかりとチェックすることも大切な役割の一つです。
歯科疾患は自覚症状を伴わずに発生することが多く、疾患がある程度進行した時点で症状が生じる[1]
ため、定期的な検査が欠かせません。
虫歯の初期段階や歯周病の兆候を早めに発見することで、大がかりな治療を避けることができますし、皆さんの負担も軽減されます。レントゲン撮影や歯周ポケットの測定なども含めて、総合的にお口の健康状態を把握していきましょう。
専門的なクリーニング(PMTC)の重要性
PMTCとは何か?その効果を詳しく解説
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、私たち歯科のプロが行う、より高度な歯のクリーニング方法です。「専門家による機械的歯面清掃」という意味で、通常の歯石除去や歯面清掃よりもさらに徹底的にお口をきれいにする処置なんです。
PMTCの最大の目的は、バイオフィルムの除去です。バイオフィルムとは、細菌が歯の表面に作る膜のようなもので、普通の歯磨きでは取ることができません。このバイオフィルムが虫歯や歯周病の主な原因になってしまうんですね。
専用の器具と研磨剤を使って、一本一本の歯を丁寧にクリーニングしていきます。比較的負担の少ない処置で、終わった後はお口の中がとてもさっぱりしますよ。
PMTCで期待できる具体的なメリット
PMTCを受けることで、皆さんにとって嬉しいメリットがたくさんあります。
まず、虫歯予防効果が高いことです。バイオフィルムを除去することで、虫歯の原因となる細菌の活動を抑えることができます。また、歯の表面がツルツルになるので、新しい汚れも付きにくくなるんです。
歯周病の予防にも大きな効果を発揮します。歯茎に近い部分の汚れをしっかりと除去することで、歯茎の炎症を抑え、健康な状態を保つことができます。
見た目の改善も期待できますよ。コーヒーや紅茶、タバコなどによる着色汚れも除去できるので、歯本来の白さを取り戻すことができます。口臭の予防効果もあるので、人との距離も気にならなくなりますね。
PMTCの処置の流れと所要時間
PMTCは、だいたい30分から1時間程度のお時間をいただいて行います。まず、お口の中の状態をチェックして、どの部分を重点的にクリーニングするかを決めていきます。
必要に応じて歯石除去を行った後、専用のペーストを使って一本ずつ丁寧に研磨していきます。歯と歯の間や歯茎の境目など、普段の歯磨きでは届きにくい部分も、専用の器具でしっかりとクリーニングします。
最後に、フッ素塗布を行うことが多いです。PMTCできれいになった歯の表面にフッ素を塗ることで、より効果的に虫歯を予防することができるんです。フッ素塗布後は、30分から1時間程度、飲食を控えていただくことで、フッ素の効果を高めることができます。
適切な通院頻度で効果を最大化する方法
個人の状態に合わせた通院頻度
「予防歯科にはどのくらいの頻度で通えばいいの?」という質問をよくいただきます。これは、お一人お一人のお口の状態によって異なりますが、一般的には3〜4ヶ月に1回程度をお勧めしています。
なぜこの頻度なのかというと、お口の中の細菌は一度きれいにしても、だんだんと増えてきて、だいたい3〜4ヶ月で元の状態に戻ってしまうからなんです。定期的なメンテナンスを続けることで、常にお口の中をきれいな状態に保つことができます。
ただし、歯周病の進行具合や虫歯のリスクが高い方は、もう少し短い間隔での通院をお勧めする場合もあります。また、お口の健康状態が良好な方は、6ヶ月に1回程度でも十分な場合もあるんですよ。
セルフケアとプロフェッショナルケアの組み合わせ
予防歯科の効果を最大限に発揮するためには、セルフケアとプロフェッショナルケア[4]の両方が大切です。どちらか一方だけでは、十分な予防効果は期待できません。
毎日のセルフケアでは、正しい歯磨き方法を身につけることが重要です。
フッ化物配合歯磨剤を効果的に利用する[5]
ことで、虫歯予防効果を高めることができます。歯磨きは1日2回以上、特に就寝前が効果的とされています。
デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間の汚れもしっかりと取り除きましょう。歯ブラシだけでは、お口の中の汚れの約6割程度しか取ることができないと言われています。
そして、定期的に歯科医院でプロフェッショナルケアを受けることで、セルフケアでは取りきれない汚れを除去し、お口の健康を維持していくんです。
継続することで得られる長期的なメリット
予防歯科を継続することで得られるメリットは、短期的なものだけではありません。長い目で見ると、とても大きなメリットがあるんです。
まず、将来的な治療費の抑制につながる可能性があります。虫歯や歯周病が進行してから治療するよりも、予防に投資する方が経済的にもメリットが大きいんですよ。
「8020運動」は、「80」は平均寿命の80歳、「20」は自分の歯で食べられるのに必要な歯の数を意味し、生涯、自分の歯で食事ができることを目指している[6]
ように、自分の歯を長く保つことができます。健康な歯で美味しく食事を楽しめることは、生活の質の向上につながります。
また、口元に自信を持つことで、人とのコミュニケーションも積極的になれますし、全身の健康にも良い影響を与えることが分かっています。お口の健康は全身の健康の入り口なんですね。
駒沢みんなの歯医者で個別相談を承っております
いかがでしたでしょうか。予防歯科には様々なメニューがあり、それぞれが皆さんのお口の健康を守る大切な役割を果たしています。でも、どの予防メニューがあなたに最も適しているかは、実際にお口の中を拝見してみないと分からないことも多いんです。
駒沢みんなの歯医者では、お一人お一人のお口の状態をしっかりと診査した上で、お口の状態に応じた予防プランをご提案いたします。歯科衛生士によるカウンセリングで、皆さんの不安や疑問にもお答えします。「痛いのが苦手」「時間がなかなか取れない」といったご事情も考慮して、無理のない治療計画を一緒に立てていきましょう。
予防歯科は、皆さんの健康な口腔環境を守るパートナーです。ぜひ一度、私たちにご相談ください。お口の健康から、より良い毎日を始めてみませんか。
参考文献
- [1] 厚生労働省「歯の健康」https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b6.html
- [2] 厚生労働省「歯科衛生士の業務(歯科診療の補助行為)について」https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001364285.pdf
- [3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯みがきによるむし歯予防効果(予防法)」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-015.html
- [4] 厚生労働省「年代別にやるべき予防とお口のケアを紹介 歯と口の健康が生活の質を爆上げする」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202206_00001.html
- [5] 厚生労働省「口からはじめる生活習慣病予防」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000124753.pdf
- [6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯科健診」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-039.html



