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治療の知識

2026-08-31

親知らず抜歯後の腫れ、ピークはいつ来る?長引かせない過ごし方

親知らず抜歯後の腫れ、ピークはいつ来る?長引かせない過ごし方 のアイキャッチ画像

抜歯後に頬が腫れてきて「このまま治らないのでは」と不安になっていませんか。鏡を見るたびに腫れが大きくなっている気がして、仕事や学校に行けるかどうか心配になりますよね。でも、腫れには自然な経過があり、多くの場合は日を追うごとに落ち着いていきます。今日は、腫れのピークがいつ来るのか、そしてご自宅でできる過ごし方について、一緒に確認していきましょう。

親知らず抜歯後の腫れは、術後2〜3日をピークに1週間ほどで落ち着くのが目安です

抜歯後の腫れが2〜3日目にピークを迎え1週間で落ち着く経過を示す図解

抜歯当日はまだ麻酔の影響もあり、腫れは目立たないことが多いです。多くの場合、翌日から腫れ始め、2〜3日目に最も大きくなり、そこから少しずつ引いていきます。1週間ほど経てば、見た目の腫れはかなり気にならなくなる方がほとんどです。

抜歯当日は腫れが目立たず、翌日から腫れ始めることが多い

処置直後は炎症反応がまだ本格的に始まっていないため、頬の膨らみを感じにくいことがあります。「思ったより腫れていない」と安心していたら、翌朝鏡を見て驚く、というのはよくあることです。慌てず、経過の一部として受け止めてくださいね。

下顎の親知らずや、炎症を繰り返してきた歯ほど腫れやすい傾向

下顎の親知らずの抜歯後には腫れることが多く、痛みも出やすくなる傾向があり、特に埋まっている部分が多い場合や、何度も炎症を繰り返してきたケースでは腫れる可能性が高いとされています[2]。

1週間を過ぎても腫れが引かない・発熱がある場合は再受診の目安

腫れが横ばいのまま強くなっていく、38度以上の発熱が続く、口が開けづらくなる――こうしたサインがあれば、感染や治りの遅れが起きている可能性があります。無理に様子を見ず、早めにご相談くださいね。

腫れの強さに個人差が出るのは、炎症反応と歯の状態が関係しているからです

親知らずの埋まり方の違いで炎症の起こりやすさが変わることを示す断面図

腫れは体が傷を治そうとする自然な反応です。ただし、歯の生え方や抜歯前の炎症の程度、当日の過ごし方によって、その強さや引くスピードには差が出ます。

抜歯は歯ぐきや骨に小さな傷をつける処置なので、体は炎症反応で治す

親知らずは骨の中に埋まったまま出てこなかったり、横や斜めに生えてきたりすることが多く、完全な形で生えてくる人はまれとされています[1]。埋まり方が深いほど、歯ぐきや骨を扱う範囲が広くなり、その分だけ体の炎症反応も大きくなりやすいのです。

智歯周囲炎を繰り返していた歯は、抜歯前から炎症が強く腫れやすい

位置異常で不完全に生えた状態のままになると、歯ブラシで手入れがしにくく汚れがたまりやすいため、むし歯になり痛んだり腫れたりすることが多いとされています[3]。抜歯前に何度も腫れを経験していた方は、抜歯後の炎症も強く出やすい傾向があります。日頃のブラッシングだけでは届きにくい奥歯まわりの汚れは、歯周病予防で大切なことは?効果的な予防方法を紹介でも詳しく触れています。

当日の飲酒・長風呂・激しい運動は血流を増やし腫れを助長する

血流が増えると、傷口周りの組織液もたまりやすくなります。抜歯当日は入浴を短めのシャワーで済ませ、飲酒や激しい運動は数日控えるだけで、腫れの引き方が変わってきますよ。

当日から数日は、冷やし方と生活の工夫で腫れの引き方が変わります

抜歯した側を避けて反対側の歯で噛むことを示す、上から見た下の歯列の図

腫れそのものを完全になくすことはできませんが、冷やし方や食事、歯みがきの仕方を少し変えるだけで、腫れを長引かせにくくすることはできます。焦らず、できることから始めていきましょう。

冷やすのは腫れ始める当日〜2日目まで、保冷剤はタオルで包んで

保冷剤や氷嚢を直接肌に当てると冷やしすぎてしまうので、タオルで包んで頬に15分ほど当て、少し休んでからまた冷やす、を繰り返すのがおすすめです。冷やしすぎは血流を悪くして治りを遅らせることもあるので、「ひんやり心地よい」くらいが目安です。

3日目以降は温めに切り替えて血流を促すと治りを助けます

腫れのピークを過ぎたら、今度は蒸しタオルなどで軽く温めて血流を促すと、たまった組織液が引きやすくなります。冷やす→温めるの切り替えタイミングに迷ったら、来院時に遠慮なく聞いてくださいね。

食事と歯みがきで気をつけたい3つのポイント

以下の3点を意識するだけで、傷口への負担をぐっと減らせます。

場面 気をつけたいこと
食事 反対側で噛む・熱すぎる/硬すぎる食材は数日避ける
歯みがき 抜歯した部分は優しく避けてブラシをあてる
うがい 強くゆすがず、口の中に水を含んでそっと動かす程度に

抜歯後しばらくは通常のブラッシングがしにくくなりますが、落ち着いてきたら定期的なクリーニングで奥歯まわりの汚れをリセットしておくと安心です。当院ではエアフローによる清掃も行っており、詳しくは歯科のエアフローって何?仕組みと効果、受ける前に知っておきたいことをご覧ください。

歯科用CTで抜歯の難易度を見極め、痛みと腫れへの負担を抑える工夫をしています

親知らずの根が神経(下顎管)に近い場合と離れている場合を比べた下顎の断面図

腫れの大きさは、抜歯そのものの難易度とも関係しています。当院では歯科用CTで事前に状態を確認し、無理のない方法を選ぶようにしています。

モリタ社製歯科用CTで神経(下顎管)との位置関係を確認してから方針を決める

下顎骨の中には下唇に達する神経と血管が通っており、下顎埋伏智歯の根尖がその近くに位置していることが多いため、埋伏智歯抜歯の際には専門的な知識と配慮が必要になるとされています[4]。また、埋伏歯の方向や周囲の組織の状態を確認するためエックス線撮影を行い、歯根と顎の内部の神経の位置関係を詳しく見るために歯科用CT検査を行うこともあるとされています。当院では低被曝で高精度な3次元画像が撮影できるモリタ社製の歯科用CTを完備しており、抜歯前にこの位置関係を確認してから治療方針をご説明しています。

表面麻酔と電動麻酔器で、刺入時の痛みに配慮しています

麻酔の注射自体が不安という方も少なくありません。当院では表面麻酔を先に使い、その後ニプロジェクトペンという電動麻酔器で注入速度と圧力を一定に保ちながら麻酔を行うことで、刺入時の痛みに配慮しています。緊張が強い方には笑気吸入鎮静器を併用することもできますので、不安な点は事前にお伝えくださいね。

難易度が高い場合は、より専門的な体制での対応が必要になることもあります

CT画像で下顎管との位置関係を精査し、侵襲が大きい場合や根尖と下顎管の近接が著しい場合には、より専門的な体制での対応が必要になることがあるとされています。まずは現在の状態を確認するところから始めましょう。

抜歯後、急に夜間に痛みが強まって不安になったときの応急対応は夜中に歯が痛くなったらどうする?受診前にできる応急処置にもまとめています。当院は月火木金は20時まで診療しており、日中に時間が取りにくい方にもご相談いただきやすい体制です。詳しくは駒沢大学駅で夜も診てもらえる歯医者、どう選べばいい?もあわせてご覧ください。

まとめ

  • 腫れは抜歯後2〜3日目をピークに、1週間ほどで落ち着くのが一般的な経過です
  • 下顎の親知らずや、埋まっている部分が多い歯、炎症を繰り返してきた歯ほど腫れやすい傾向があります
  • 冷やすのは腫れ始めの2日ほどまで、3日目以降は温めに切り替えると引きやすくなります
  • 当院ではモリタ社製の歯科用CTで神経との位置関係を確認し、難易度に応じた方針をご説明しています
  • 表面麻酔・電動麻酔器・笑気吸入鎮静器を組み合わせ、痛みへの配慮に努めています

腫れや痛みが不安な方は、来院前にWebフォームまたはお電話でご相談ください。CT撮影で状態を確認したうえでご案内します。駒沢大学駅徒歩4分の駒沢みんなの歯医者では、初めての方へ(初診の流れ)のページで来院前の流れもご案内していますので、気になることがあればまずはそちらをご覧のうえお気軽にお問い合わせください。

駒沢みんなの歯医者に相談する

参考文献

[1] 日本口腔外科学会「『親知らず』について|口腔外科相談室」jsoms.or.jp

[2] 東北大学保健管理センター「保健のしおり vol.40 腫れると痛い親知らず」health.ihe.tohoku.ac.jp

[3] 慶應義塾大学病院 KOMPAS「埋伏歯」kompas.hosp.keio.ac.jp

[4] 札幌医科大学医学部口腔外科学講座「親知らず」web.sapmed.ac.jp

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