冷たい飲み物を口にするたびキーンとしみて、虫歯なのか不安になったことはありませんか。仕事の合間にコンビニで買った麦茶や、家でのアイスクリーム。何気ない瞬間にピリッとした痛みが走ると、「また虫歯が増えたのかも」と気が重くなりますよね。実は、そのしみる症状は知覚過敏という虫歯とは別のトラブルであることも多いんです。この記事では、しみる仕組みと見分け方を一緒に整理していきましょう。
冷たいものがしみるのは、歯の内部の象牙質が刺激を神経に伝えているためです

歯は表面の硬いエナメル質と、その内側にある象牙質、さらに中心の神経(歯髄)という3層構造になっています。知覚過敏とは、歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい飲食物、甘いもの、風にあたった時などに歯に感じる一過性の痛みで、特にむし歯や歯の神経の炎症などの病変がない場合にみられる症状を指します[1]。象牙質が露出していると、この刺激が伝わりやすくなるのです。
象牙質には無数の細い管があり、刺激が神経まで届きやすい
象牙質の内部には「象牙細管」という細い管が無数に通っていて、冷たさや接触の刺激をキャッチして神経に伝える構造になっています。エナメル質に守られている間はほとんど感じない刺激も、象牙質がむき出しになると強く伝わるようになります。
歯ぐきの下がりや強いブラッシングが象牙質を露出させるきっかけになる
歯ぐきが下がって歯の根元が見えてくると、その部分はもともとエナメル質が薄いため、象牙質がすぐに露出してしまいます。歯周病や加齢、力の入りすぎたブラッシングが背景にあることも多いので、歯ぐきの状態が気になる方は歯周病予防で大切なことは?効果的な予防方法を紹介も参考にしてみてくださいね。
酸っぱい飲食物のとりすぎもエナメル質を弱らせる一因になる
炭酸飲料を長時間かけて飲むような習慣や、酸っぱい飲み物や食べ物を頻繁にかつ長時間摂取するような習慣があると、歯は簡単に溶けて、内部の象牙質が露出してしまうことがあります。毎日の飲み方をちょっと見直すだけでも、しみる症状の予防につながりますよ。
知覚過敏は、刺激を受けた瞬間だけキーンとして数秒でおさまるのが目印です

知覚過敏の痛みは「その場だけ」で終わるのが大きな特徴です。冷たいものや歯ブラシが当たった直後にピリッときても、しばらくすると自然に引いていきます。ズキズキと痛みが続くようなら、知覚過敏だけでは説明できないかもしれません。
冷たい・甘い・歯ブラシの接触など、刺激がある間だけ痛みが出る
象牙質知覚過敏は,主として熱,擦過,脱水,あるいは化学的刺激に対する反応として露出象牙質に誘発される痛みだと考えられています[4]。刺激がなくなればすっと痛みが引くのが一つの目安です。
何もしていないときにもズキズキ続くなら、別の原因も考えられる
安静にしていても痛みが続く、夜になると痛みが強くなる、といった場合は知覚過敏だけでは説明しきれないケースがあります。無理に自己判断せず、状態を見てもらうことをおすすめします。
セルフケアは「やわらかい歯ブラシ」と「こすらない」意識から始めましょう
しみる症状に気づいたら、まず次のような工夫から始めてみてください。
- 毛先のやわらかい歯ブラシに変えて、ゴシゴシこすらず小さく動かして磨く
- フッ素配合の歯磨き粉を選び、歯の根元も丁寧にケアする
- 就寝時に歯ぎしり・食いしばりの自覚がある方は、力の入りやすい癖に気をつける
- 酸っぱいものを口にした直後は、すぐに強くブラッシングしない
毎日のケアを見直すことで変化が出てくることもありますので、詳しい進め方は予防歯科の内容って何をするの?具体的な治療メニューを紹介もあわせてご覧ください。
虫歯によるしみる痛みは、噛むと痛い・熱いものにもしみるといった点で知覚過敏と異なります

虫歯が象牙質の深いところまで進むと、冷たいものだけでなく熱いものにもしみるようになり、噛んだときの痛みや、何もしなくてもズキズキする痛みが出てくることがあります。しみ方の「範囲の広さ」と「持続時間」が知覚過敏との大きな違いです。
虫歯が進むと象牙質の内側の神経に炎症が及び、持続する痛みに変わる
初期のむし歯はフッ化物の利用に加えて、適切なプラークコントロール等により回復することがあります[2]。しかし、進行すると歯を削ったり、歯の神経(歯髄)を取り去るような大きな治療が必要になります。冷たいものへの反応が長く続いたり、熱いものにもしみるようになったら、進行のサインかもしれません。
詰め物の周囲がしみる場合は、内部で虫歯が再発していることもある
過去に治療した歯の詰め物の境目からしみる場合、見た目では分かりにくい虫歯が内部で進んでいることがあります。詰め物が浮いている、取れかけている場合は詰め物が取れた!受診前にやること・やってはいけないことも参考になります。
治療が必要な虫歯を持つ人は少なくないというデータもある
厚生労働省の「令和6年歯科疾患実態調査」の結果(概要版)をもとにしたまとめでは、永久歯に治療が必要なむし歯を有する人は28%(令和6年歯科疾患実態調査)と極めて多い状況だと報告されています[3]。しみる症状を「よくあること」と放置せず、早めに状態を確認しておくと安心です。
駒沢みんなの歯医者では、口腔内カメラの映像を一緒に見ながら原因を確認します

自分では知覚過敏か虫歯か判断がつかない、という声はとても多く聞きます。当院では口腔内カメラで拡大した映像を画面で見ていただきながら、しみる部位の状態を一緒に確認するようにしています。目で見て確認できると、不安な気持ちも少し軽くなりますよ。
MORITA製の口腔内カメラで、歯ぐきの下がりや象牙質の露出を映して説明する
MORITA製の高精度な口腔内カメラを使い、歯の表面や歯ぐきの状態を拡大してその場でお見せしています。歯ぐきが下がって根元が見えている、酸で表面が溶けているなど、言葉だけでは伝わりにくい状態も映像で共有できます。
歯科用CTやマイクロスコープで、目に見えない部分の状態も確認できる
見た目だけでは判断が難しい場合には、低被曝で高精度な画像が撮影できるモリタ社製の歯科用CTや、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使って、象牙質の内部や神経に近い部分の状態を確認することもあります。根管治療にも用いている設備なので、必要に応じて詳しい検査に進むことも可能です。
担当制の歯科衛生士と一緒に、日々のセルフケアを見直せる
当院では毎回同じ歯科衛生士が担当する体制を取っているため、しみる症状の変化やブラッシングの癖を継続して見ていくことができます。駒沢大学駅から徒歩4分という通いやすさも活かして、3〜4ヶ月ごとの定期検診の中で状態を振り返っていくことをおすすめしています。
まとめ
- 冷たいものがしみるのは、歯の内部の象牙質が刺激を神経に伝えるためで、知覚過敏と虫歯の両方で起こり得ます
- 知覚過敏は刺激を受けた瞬間だけしみて数秒でおさまりやすく、虫歯は噛むと痛い・熱いものにもしみる・痛みが続くといった違いがあります
- セルフケアはやわらかい歯ブラシとフッ素配合歯磨き粉、強くこすらないブラッシングから始めるのが基本です
- 厚生労働省の調査でも治療が必要な虫歯を持つ人は少なくないため、しみる症状を放置せず早めに確認することが大切です
- 当院では口腔内カメラや歯科用CTの映像を一緒に見ながら、知覚過敏か虫歯かを確認できる体制を整えています
しみる症状が続く場合は、口腔内カメラで状態を確認することも可能です。駒沢みんなの歯医者は駒沢大学駅から徒歩4分、平日は20時まで、土曜は17時まで診療しており、Web予約は24時間受付しています。ご来院前に気になることがあれば、初めての方へ(初診の流れ)より流れをご確認のうえご相談ください。
参考文献
[1] 日本歯科医師会「テーマパーク8020 知覚過敏」jda.or.jp
[2] e-ヘルスネット(厚生労働省)「ライフステージ別にみたむし歯の特徴」kennet.mhlw.go.jp
[3] 厚生労働省「『令和6年歯科疾患実態調査』の結果(概要)を公表します」mhlw.go.jp
[4] J-STAGE「日本歯科保存学雑誌 象牙質知覚過敏のメカニズム」jstage.jst.go.jp