学校から「要受診」のプリントをもらったものの、「今は困っていないから」と後回しにしていませんか。プリントをランドセルの奥にしまったまま、気づけば夏休みが終わっていた……というのは、実はよくあることなんです。今日は、予防とセルフケアの現場に立つ歯科衛生士の目線で、放置のリスクと再受診の流れを一緒に整理していきましょう。
「要受診」を放置すると、症状がなくても虫歯や歯肉炎が進みやすくなります
「痛みがないから大丈夫」と感じても、学校検診の「要受診」は見た目だけでは分からない段階のトラブルを教えてくれる大切なサインです。実際に、治療勧告を受けても受診しないまま経過してしまうお子さんは少なくないと報告されています。
治療勧告を受けても受診しない子どもが多いのが実状です
毎年実施している保育所、幼稚園、小学校の歯科健診後の事後処置(治療勧告)を見ると、むし歯の早期の治療を勧告しても受診していない子どもも多く、治療勧告書の回収率も50%にならない場合も多いのが実状であると、日本小児歯科学会は指摘しています[1]。つまり、後回しにしてしまうご家庭は決して珍しくないのです。
早期発見・早期治療は、進行してからの治療より負担が小さくなります
厚生労働省は検診による早期発見・早期治療に加え、疾患の発症を予防する一次予防がより重要であることを広く認識して、個人の口腔健康管理を専門的立場から実施あるいは支援する保健所・市町村保健センターやかかりつけ歯科医等の歯科保健医療機関(専門家)を活用し、定期的に歯科健康診査・保健指導や予防処置を受ける習慣を確立することが必要と述べています[2]。「要受診」は、まさにその入り口に立つタイミングなのですね。
当院にも、学校検診の通知を持って来院されるお子さんがいらっしゃいます。まずは口腔内カメラで気になる部分を映し、保護者の方と一緒に画面を見ながら状態を確認するようにしています。
「要受診」の通知は、歯科医院での精密検査や治療が必要というサインです

学校検診で使われる記号には意味があり、「C」「CO」「G」「GO」などによって緊急度が異なります。まずはお手元の通知にどの記号が書かれているかを確認してみましょう。
CO(要観察歯)は「今すぐ削る」ではなく「専門家の目で見てもらう」段階です
佐賀県歯科医師会によると、要観察歯は適切な指導や観察を行うことにより、むし歯への進行を遅らせ、う蝕から守ることもできるとされています[3]。日本歯科医師会も、むし歯「C」ではないが、続けて観察したり、しっかりと予防処置をしないといけない要観察歯「CO」という段階や、歯肉炎「G」ではないが、歯肉炎になりそうな人、要観察者「GO」というふるい分けがあることを紹介しています[4]。COだからといって安心しきってよいわけではなく、歯科医院で状態を確認してもらうことが大切です。
GO・Gは歯ぐきの炎症に関するサインです
神奈川県歯科医師会の資料では、1)歯石の沈着はないが、歯肉に軽度の炎症があるもの。2)清掃指導により炎症が消退すると思われる程度のものを「GO」、専門家による診断が必要な状態を「G」としています[5]。歯ぐきの出血や腫れは、ブラッシングの仕方を少し見直すだけで変わることも多いので、一緒に確認していきましょう。
記号の意味が分からないときは、通知をそのまま持ってきてください
「C」や「CO」の意味が分からず不安なまま過ごしている方も多いですよね。当院では通知用紙を拝見しながら、口腔内カメラで実際の歯の状態をお見せし、どの記号がどこに該当するのかを一緒に確認しています。
放置すると虫歯の進行や歯肉炎の悪化が起こりやすくなります

要受診をそのままにしておくと、虫歯は自然に小さくなることはなく、段々と神経に近づいていきます。歯ぐきの炎症も同様に、放置すれば範囲が広がりやすくなります。
虫歯は自然治癒せず、進行すると神経の処置が必要になることがあります
e-ヘルスネットでは、むし歯が歯の表層に限られる場合は、削らず再石灰化を期待します。むし歯が大きくなると歯を削り、詰め物やかぶせものをつける治療を行います。むし歯がさらに進行して歯髄(しずい)に達すると、歯髄を除去(抜髄[ばつずい])する必要があると説明されています[6]。つまり、早い段階で受診できれば、削る量も治療の回数も抑えられる可能性があるということです。
乳歯・生えたての永久歯の虫歯は進行が速く、歯並びにも影響することがあります
小さなお子さんの歯は歯質がやわらかく、虫歯が広がるスピードも早い傾向があります。生えたての6歳臼歯なども同様です。乳歯の虫歯を早く見つけて対応することは、永久歯の健康にもつながります。詳しくは子供の予防歯科はいつから?お子様の歯を守る方法でも触れていますので、あわせてご覧ください。
歯ぐきの炎症を放置すると、後の歯周病予防が難しくなることがあります
学生さんや保護者世代でも、GOやGの通知を「まだ大丈夫」と流してしまうケースがあります。歯ぐきの炎症は静かに進むことが多いので、気になる方は歯周病予防で大切なことは?効果的な予防方法を紹介も参考にしてみてください。
駒沢大学駅周辺で再受診先を選ぶなら、通いやすさとお子さま対応を確認しましょう

「要受診」を放置しないためには、通いやすい診療時間かどうか、お子さまが安心して座れる環境かどうかを確認することが近道です。当院は駒沢大学駅から徒歩4分の場所にあり、平日は20時まで、土曜日も17時まで診療しています。
学校がある日でも通える診療時間かを確認しましょう
放課後や仕事帰りに立ち寄れる時間帯があると、通知を持ったまま先延ばしにしにくくなります。当院の診療時間は月・火・木・金が10:00〜13:30/15:00〜20:00、水曜は午前のみ、土曜は10:00〜17:00です。詳しい診療時間や夜間診療の考え方は駒沢大学駅で夜も診てもらえる歯医者、どう選べばいい?でもご紹介しています。
お子さまが安心して座れる環境が整っているかも大切な判断材料です
当院ではキッズスペースを診察室の一角に設け、保護者の方が見守りながら治療を受けられるようにしています。緊張が強いお子さんには笑気吸入鎮静器を使うこともあります。歯医者を怖がるお子さんへの向き合い方は、子どもが歯医者を怖がるとき、親としてできる準備と声かけでも詳しく解説しています。
治療後も予防につなげられる体制かどうかを見てみましょう
「要受診」の治療が終わったら、そこで安心してしまいがちですが、再発を防ぐには予防のケアを続けることが欠かせません。当院では毎回同じ歯科衛生士が担当する体制をとり、3〜4か月ごとの定期検診をおすすめしています。予防のはじめ方は予防歯科を始めるタイミングは?スタートの流れを解説にまとめていますので、通知への対応と合わせて読んでみてくださいね。
まとめ
- 学校検診の「要受診」は放置しやすい通知ですが、治療勧告を受けても受診しない子どもが多いという学会の指摘があります[1]
- 「CO」「GO」は「今すぐ削る段階ではない」というサインですが、専門家による確認は必要です[3][4][5]
- 虫歯や歯肉炎は自然には改善せず、放置すると神経の治療や歯周組織への影響につながることがあります[6]
- 平日20時まで・土曜17時までの診療時間、キッズスペース、担当制の歯科衛生士など、通いやすさとお子さま対応の両方を備えた体制が再受診のハードルを下げます
- 通知の記号が分からないときは、そのまま持って来院いただければ、口腔内カメラで一緒に状態を確認できます
要受診の通知を後回しにして悪化させる前に、ぜひ一度ご相談ください。駒沢みんなの歯医者は駒沢大学駅から徒歩4分、平日20時まで・土曜診療にも対応しており、Web予約は24時間受付しています。まずは初めての方へ(初診の流れ)をご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。
参考文献
[1] 日本小児歯科学会「これからの小児歯科医療のあり方について」jspd.or.jp
[2] 厚生労働省「歯の健康」mhlw.go.jp
[3] 佐賀県歯科医師会「要観察歯CO(シーオー)について・学校歯科健診」saga-dental.or.jp
[4] 日本歯科医師会「学校歯科医 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」jda.or.jp
[5] 神奈川県歯科医師会「学校歯科健康診断の目的」dent-kng.or.jp
[6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「むし歯の治療の流れ」kennet.mhlw.go.jp