「うちの子の歯並び、今すぐ矯正した方がいいの?」と歯科検診のたびに不安になる保護者の方は少なくありません。歯が重なっていたり、すきっ歯だったりすると、つい焦って治療を検討したくなりますよね。でも、実は「今は様子を見ていい時期」と「早めに相談した方がいい時期」があり、その見分け方を知っておくだけで、気持ちがずいぶん楽になりますよ。今回は、混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざって生えている時期)の考え方を中心に、小児矯正の始めどきについて一緒に整理していきましょう。
小児矯正は6歳前後の混合歯列期から相談を始められます

小児矯正の相談は、上下の前歯が永久歯に生え変わり始める6歳前後を一つの目安に考えられることが多いです。ただし、年齢だけで判断するものではなく、歯の生え方や顎の成長のペースを見ながら決めていくことが大切です。焦って始める必要はなく、「相談できる時期になった」というくらいの心構えで大丈夫ですよ。
混合歯列期は乳歯と永久歯が混ざる期間を指します
混合歯列期とは、乳歯と永久歯が同時に口の中に存在している時期のことです。小学生の間はこの状態が続くお子さんが多く、この時期に行う矯正治療は「Ⅰ期治療」と呼ばれます。小学生・中学生などの乳歯が残っている年齢に、旺盛な成長を利用して骨格的な不正の解消を図る治療は「Ⅰ期治療」と呼ばれます。永久歯が生えそろった後に行う歯並びの精密な調整は「Ⅱ期治療」と呼ばれます。
受け口や強い出っ歯は早めの相談が検討されます
すべてのケースで様子見を選ぶわけではありません。受け口(下の歯が前に出ている状態)や、上下の前歯が大きく離れているような強い出っ歯は、顎の成長を利用できる時期にあえて早めに相談することが検討される場合があります。気になる場合は、次の検診まで待たずに歯科医院で見てもらうと安心です。
3〜4か月ごとの定期検診で成長の様子を確認していきます
当院では、予防歯科の定期検診をおおむね3〜4か月に一度のペースでご案内しています。この間隔であれば、歯の生え変わりや顎の成長の変化を見逃しにくく、矯正の相談が必要になった際にも早めに気づくことができます。関連記事: 子供の予防歯科はいつから?お子様の歯を守る方法もあわせてご覧ください。
混合歯列期に経過観察を勧められることが多い理由
混合歯列期は歯の生え変わりと顎の成長が同時に進む時期のため、今の歯並びがそのまま永久歯列になるとは限りません。そのため、多くのケースでまずは経過観察を行い、成長の様子を見ながら治療の必要性を判断していきます。焦って装置をつけるより、成長のタイミングを見極める方が結果的に無理のない治療につながることもあるのです。
顎の成長を待つことで自然に整うことがあります
乳歯から永久歯に生え変わる過程で、顎の幅や上下のバランスが変化していきます。軽度の歯の重なりであれば、成長とともに永久歯が並ぶスペースが確保され、様子を見ているうちに改善していくケースもあります。
成長のタイミングを逃すと使える装置が変わってきます
顎の成長を利用する治療は、成長期でなければ同じ効果を得にくくなります。永久歯列ではほとんどの患者さんでマルチブラケット装置を使用した個々の歯の再配列が行われます[1]。つまり、経過観察といっても「何もしない」わけではなく、成長のタイミングを見極めながら、必要な時期に必要な対応を選べるようにしておくことが大切なのです。
経過観察中も虫歯予防のケアは続ける必要があります
様子見の期間だからといって、お口のケアを休んでいいわけではありません。生え変わりの時期は歯磨きが行き届きにくく、虫歯のリスクが上がりやすい時期でもあります。当院ではエアフロー(専用パウダーと水で歯の表面をやさしくクリーニングする機器)やフッ素塗布を組み合わせた予防歯科のケアもご案内していますので、詳しくは歯科のエアフローって何?仕組みと効果、受ける前に知っておきたいこともご参照ください。
様子見でよい歯並びと相談が必要なサインの見分け方

見分け方のポイントは、「軽い歯の重なり程度か」「顎のずれや癖が関係していそうか」です。軽度のガタつきだけであれば経過観察で様子を見ることが多いですが、癖や顎のずれが関わっている場合は早めの相談が勧められます。ここでは代表的なサインを整理します。
指しゃぶりや口呼吸などの癖は相談のきっかけになります
指しゃぶりや口呼吸、舌で歯を押す癖などは、歯並びや顎の発育に影響することが知られています。癖そのものがすぐに問題になるわけではありませんが、年齢が上がっても続いている場合は、一度歯科で見てもらうと安心です。
受け口や左右のずれは早めの相談が勧められるサインです
受け口(下の歯が上の歯より前に出る)や、噛んだときに顎が左右にずれるような様子は、成長を利用した対応を検討しやすいサインとされています。次の検診を待つより、気になった時点で相談する方が選択肢を広く保てます。
学校健診で指摘された場合は次の検診まで様子を見すぎない
学校の歯科健診で歯並びについて指摘票をもらった場合は、そのままにせず一度歯科医院で確認してもらうことをおすすめします。指摘された内容が経過観察でよいものか、早めの相談が向いているものかは、実際にお口の中を見てみないと判断がつかないことが多いためです。
駒沢みんなの歯医者での小児矯正相談は検査から始まります

「相談してみたいけれど、何をされるのか分からず不安」という保護者の方も多いですよね。当院では、まず歯とお口の状態をしっかり確認するところから始め、治療を急かすことはありません。お子さまのペースに合わせて、一緒に見通しを立てていきましょう。
歯科用CTと口腔内カメラで顎と歯の状態を確認します
当院では低被曝で高精度な3次元画像を撮影できるモリタ社製の歯科用CTと、口腔内カメラを使い、歯の生え方や顎の状態を分かりやすい画像で確認しています。保護者の方にも画面を見ながら説明しますので、「今の状態がどうなっているか」を具体的にイメージしていただけます。
検査結果をもとに経過観察か相談継続かを一緒に考えます
検査の結果、今の段階では経過観察で問題ないケースもあれば、成長のタイミングを踏まえて継続的にチェックしていくケースもあります。当院の濱田潤二院長は、長期的に良好な状態を維持できることこそ治療の本質だという考えのもと、無理に治療を急がず、お子さまの成長に合わせた提案を大切にしています。
キッズスペースのある診療室で緊張を和らげます
診察室の一角にはキッズスペースを設けており、保護者の方が見守りながら治療や相談を受けられる環境を整えています。歯医者を怖がるお子さまへの向き合い方については、子どもが歯医者を怖がるとき、親としてできる準備と声かけもぜひ参考にしてみてください。
まとめ
- 小児矯正の相談は6歳前後の混合歯列期から検討できますが、年齢だけでなく歯や顎の状態を見て判断することが大切です
- 混合歯列期は顎の成長を利用できる時期のため、多くのケースでまずは経過観察が勧められます
- 軽い歯の重なりは様子見でよい場合が多い一方、受け口や癖、左右のずれがあるサインは早めの相談が向いています
- 当院では歯科用CTや口腔内カメラでお口の状態を確認し、経過観察か相談継続かを保護者の方と一緒に考えています
- 経過観察の期間も虫歯予防のケアを続けることが、将来の歯並びと歯の健康を守る土台になります
小児矯正の必要性や開始時期に迷ったら、初めての方へ(初診の流れ)から初診相談にお越しいただき、今のお子様の歯並びの状態を一緒に確認しませんか。駒沢みんなの歯医者は東急田園都市線駒沢大学駅徒歩4分、平日は20時まで、土曜は17時まで診療しており、Web予約は24時間受け付けています。お子さまのペースに合わせて、無理のない見通しを一緒に立てていきましょう。
参考文献
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「不正咬合の治療法の概要」kennet.mhlw.go.jp
[2] 文部科学省「令和5年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)確定値を公表します」mext.go.jp